ホームステイ先はworkawayっていうサービスで探した。平日にちょっと家の仕事とか、雑務を手伝う代わりに住む場所を提供してくれる、お金の出ないホームステイに近いサービス。手伝う時間は5時間が上限って契約で決められてる。休日は自由。ヨーロッパでは人件費が高いから、このシステムはホスト側にとってもかなりお得らしくそれなりに流行ってるらしい(旅人の中では?)。仕事内容は、家畜の世話とか、ベビーシッターとか、農作業のお手伝いとか、色々あって、自分は建物の改修とか物作りができるところをメインに探した。ヨーロッパは地震が少なくて、建物の素材が石やったりするから平気で築数百年の家があって中がどうなってるのかめちゃ気になってた。今回のホストの家も昔の馬小屋を自力でリノベーションしてたりしてる。ただ、今の時期は庭にプールを作ろうとしてるらしく、それのお手伝いをすることになってる、それはそれで楽しそう。プールって言っても日本人が思ってるようなプールではなく、どちらかというと綺麗な池。ホストファーザーはどういう植物をどこに配置をしたら池を持続的に綺麗に保てるのか、植物が育ちすぎて泳ぐ場所が無くならないためにはどうするのかとかも考えてた。青いタイルで定期的に塩素をぶち込んで消毒するようなプールでは全くなかった。自分以外にもトルコ人の夫婦がここに住みながら手伝ってる。妻の方は昼間に子供たちの面倒を見るのがメインで、夫と自分の男達はみんなで仲良く池作りをする。そんな感じでホームステイ生活が始まった。ワクワクしかない。
登場人物
一応、登場人物はホストファミリーとトルコ人の夫婦、んで俺。
ホストの家族はお父さんがニュージーランド人、お母さんがオランダ人。子供は三人(確か5歳と7歳と11歳)とも英語とオランダ語の両方を話せる。お父さんはオランダ語は理解できるけど話すのは少し苦手やから、子供達はお父さんがいる時は英語、いない時はオランダ語を使う。でも、オランダ語でも何となく何を言ってるのか分かる、気がする。お父さんは昔経営してた会社を売って今はここオランダの田舎で農家から土地と家の一式を買って、建物を自分たち用に改修したりしてる。馬小屋やった建物を車がいじれる車庫に改造したり、家の中の壁・床をぶっ壊したり増やしたりして自分達の生活スタイルに合わせたりしてる。1人では限界があるから結構前からホームステイをいっぱい受け入れてきてるみたい。敷地面積が5.5haあって、やる事が無限にあるからここのお父さんは死ぬまで自分の家をいじり続ける気がする。本人はそれをすんげー楽しんでるし、奥さんは楽しんでるのを嬉しそうに眺めてる。0から1を作ってるんじゃなくて、1を土台に全然違うaを作ってる感じがして実際かなり楽しそう。んで、お母さんは自分のビジネスを持ってて、働きたい時に仕事をしてる感じ。子供達は学校に入ってなくて基本的にホームスクール。一応テキストとかを持ってるけど、基本的にはやりたい科目を日々やってる感じ。ただ、日本みたいに勉強をしてるっていう感じは全くなくて、自由にいろんな知識を吸収してる。ホームスクールっていう形態は噂でしか聞いた事がなくて、実際に見るのは初めてやから結構新鮮やった。
ホスト以外に一緒に、滞在をしたのがトルコ人夫婦。この夫婦もworkawayを使って期間限定で宿泊してる。普段はトルコの小学校で教師をしてて、今は夏休みで普段できない経験をしたくて来てる。この2人もなかなかに面白くて、かなり優しくしてもらった。特に男の方とは一緒にいる時間が長かったからめちゃめちゃ色々日本について聞かれた。そんなこと考えたこともなかったわ、みたいな質問も多くて夜自分の部屋に帰って、色々調べて考えさせられたりした。
このオランダ、日本、トルコの3チームの共存の仕方がちょっと特殊で、その主な原因が家の構造。まず、家が中で完全に分割されてて、一個の建物の中に二つの家が存在してるイメージ(三つ目が出来上がりつつある)。二つの家のはメイン(大きめ)とサブ(小さめ)みたいな感じで、メインは家主たち、サブはお客さん用のものとして去年くらいに完成したらしい。だから基本的にはサブの方に住んでもらう形でホームステイを一組だけ受け入れてきたみたい。今回は色々あってメインの方の余った部屋に住まわせてもらってる。結果的にトルコ人の夫婦は自分の家を持ってて、昼間に一緒にお手伝いする隣人みたいな立ち位置で、自分は完全にオランダ人の家族の一員になっちゃってるっていうなんか不思議な状態。朝昼晩はオランダの家族と一緒に食べる。個人的にはこっちの方が現地の生活をできて楽しいけど、トルコ夫婦は休暇のノリで来てるから、自分のプライベートの時間が結構削られて本当に快適なの?って結構心配してくれた。心配されてる意味があまり分からんかったから理由を聞いたら、自分たちと俺は同じ立場なはずなのに、住んでるとことのクオリティが違うから、もし逆の立場やったら不平等に感じて嫌やって言われた。修士の研究でもちょっと経験したけど、トルコ人は結構平等を重視してるような気がする。
一週間にやったこと
1日目は「椅子のやすりがけ」と「薪を投げる」。午前中は雨やったから室内でできる作業をした。木製の椅子が外に置かれすぎて、苔が生えちゃったからそれをヤスリで削り落とす作業。すぐに終わったから次は冬用に乾かしてた薪を別の倉庫に移すお手伝いをした。移すって言っても一旦重機に乗せて、移動させてからおろして倉庫にいい感じに並べるだけやから人間がやるのは乗せるのと並べる作業。今回はとりあえず大量の薪を重機に乗せる。薪が最初に置いてあった場所は倉庫の結構奥にあるから、効率を上げるために倉庫の奥から入り口の向かってひたすら投げてから一気に載せていく。馬鹿みたいに投げてたから背中痛い。
朝食。グラノーラみたいなやつ。ピンボケ
元々ここに薪が積まれてあった
その薪をこう
使わせてもらってる部屋
2日目は「薪を積む」と「土嚢作り」。午前中は昨日移動させた薪を綺麗に新しい方の倉庫に詰め込んでいく。積み木してるみたい結構楽しかった、腰は痛いけど。午後は土嚢を作った。生まれて初めて土嚢を作った(当たり前)。袋に砂を詰め込んで、手持ちミシンで袋の口を閉じる。手持ちミシンも初めて使った、そんなミシンがあるなんて知らんかった。土嚢は池の底に並べる用、なんかいろんな効果があるみたいで熱心に説明してくれたけど、英語むずすぎて半分も理解できへんかった。
積み木した
土嚢の写真これしかなかった
急に晴れたからすかさず洗濯、なんか良い
夕暮れ。ショベルカーの近くいある緑色の袋が土嚢
3日目は「荷物の積み下ろし」。今日も雨。家具屋さんから使わんくなったパレッド(フォークリフトで運ぶやつ)をもらえるらしく、それらをもらいに行く。人力で載せて下さなあかん、肉体労働でしかない。雨の中結構頑張った。みんなでくっそおおおって言いながらやってたから普通に楽しかった。
200ユーロ!?!?
筋トレした
夕方は晴れがち、みんなで買い出し
チーズ王国
4日目は「椅子のペイント」。今日も雨!1日目にヤスリがけをした椅子達にニスを塗っていく。図工の授業を思い出してなんか懐かしかった。手を動かすの結構好きやし、物作りは楽しい。写真撮り忘れた。
プールというか池というか、今はただの穴
敷地が広すぎる案件、中央に見える建物は昔鳥小屋として使われてた
5日目は「レンガ並べ」。はい、今日も雨です!この家に大きいキャンピングカーがあって、ただ、保管してる倉庫の地面が柔らかい土で、車を出し入れしてるとどんどん地面が凹んでしまうから、ちょっと溝を掘って、そこにレンガを並べていく。たまに街中で見かけるやつ。簡単そうに見えてかなり難しかった。平に並べるのも、まっすぐ隙間なく並べるのも見かけの五倍難しい。レンガが規格化されたものじゃないし、専用の器具とかもないから、相談しながら現場にあるもので頑張った。しゃがんでやらなあかんから腰激痛やけど、楽しかった。あ、溝を掘るのが何気にしんどかった、車にとっては柔らかくても人間からしたら硬い。
なんか頑張ってた
これを掘って、ここにタイルを並べていく
こんな具合でお手伝いをした、毎日どっかのタイミングでは雨降ってて、土嚢作り以外は池とは全く関係のない作業をしてた。けど、お手伝いって言っても遊び感覚でやってたし、どれもやったことのない事でかなり充実してた。ノリノリの音楽をスピーカーで鳴らしても良かったし、文章で書くとなんか労働みたいに感じるけど実際は超自由で実質毎日遊んでた。マックスでも5時間しか手伝われへんから、完全な自由時間もかなり多かった。でも、雨やし田舎やしでそこまでパッとしたことはできへんくて、とうもろこし畑の中をチャリで駆け抜けたり、猫と遊んだり、一緒にご飯の用意をしたり、子供達と遊んだり、ピアノを練習してみたり、写真の整理をしたりしてた。平和そのものやった。オランダ語とトルコ語の単語もちょっとずつ頭に入ってきて脳みそがかなり刺激されてる気がする。見たことのない食器、機械、家具達、初めてたべる料理でいちいち喜んでるのをホストマザーが微笑みながら見守ってくれる、優しくて助かる。
洗濯機
猫可愛すぎ
意味不明食器
容器が絵の具見たいなマヨネーズ
蓋なしポット
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